柔道整復師国家試験の最新(第34回・2026年3月1日実施)の合格率は71.5%だった。受験者4,434人に対し合格者3,170人で、厚生労働省の合格発表ページで確認できる直近9年(第26回〜第34回)では最も高い。ただし前年の第33回は57.8%、第31回は49.6%と大きく変動しており、単年の数字だけで難易度や人材供給を判断するのは危険だ。本記事では厚生労働省の各回合格発表データのみを出典として、合格率の推移と、整骨院・接骨院の採用計画への読み方を整理する。
最新結果: 第34回(2026年3月実施)は合格率71.5%
2026年3月1日に実施された第34回柔道整復師国家試験の結果は、受験者4,434人・合格者3,170人・合格率71.5%だった(厚生労働省「第34回柔道整復師国家試験の合格発表について」)。合格発表は2026年3月26日に厚生労働省と公益財団法人柔道整復研修試験財団のホームページで行われた。
合格率の推移(第26回〜第34回・厚生労働省発表)
回(実施年月) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
第26回(2018年3月) | 6,321人 | 3,690人 | 58.4% |
第27回(2019年3月) | 6,164人 | 4,054人 | 65.8% |
第28回(2020年3月) | 5,270人 | 3,401人 | 64.5% |
第29回(2021年3月) | 4,561人 | 3,011人 | 66.0% |
第30回(2022年3月) | 4,359人 | 2,740人 | 62.9% |
第31回(2023年3月) | 4,521人 | 2,244人 | 49.6% |
第32回(2024年3月) | 5,027人 | 3,337人 | 66.4% |
第33回(2025年3月) | 4,513人 | 2,607人 | 57.8% |
第34回(2026年3月) | 4,434人 | 3,170人 | 71.5% |
出典: 各回とも厚生労働省「柔道整復師国家試験の合格発表について」(記事末尾の出典一覧参照)。
この9年で受験者数は6,321人から4,434人へ約3割減少した。一方、合格率は49.6%(第31回)から71.5%(第34回)まで振れ幅が大きく、一定のレンジに収まっていない。
合格率が乱高下する構造
柔道整復師国家試験の合否は相対評価ではなく、固定された絶対基準で決まる。必修問題は総点数の80%以上(全50問中40点以上)、一般問題は総点数の60%以上(全200問中120点以上)で、両方を満たした者が合格となる(厚生労働省・第34回合格発表ページ)。合格者数を一定に調整する仕組みがないため、その回の問題難易度や受験者層の構成がそのまま合格率に反映される。第31回の49.6%と第34回の71.5%が3年の間に併存しているのはこのためだ。
なお、必修問題は第27回までは全30問(24点以上で合格)だったが、第28回から全50問(40点以上で合格)に変更されている(厚生労働省・各回合格発表ページ)。
採用計画への読み方: 合格者数は「その年の新規供給数」
院長・採用担当にとって重要なのは合格率そのものより合格者数だ。合格者数はその年に新たに市場へ供給される有資格者の総数を意味する。第27回は4,054人が合格したが、第31回は2,244人とほぼ半減している。合格者が少ない年は、翌年度の新卒採用市場で候補者の絶対数が細ることになる。
受験者数の趨勢も無視できない。9年で約3割の減少は養成校からの供給パイプライン自体が縮小していることを示しており、新卒採用を前提とした人員計画は年々競争が厳しくなる構造にある。合格発表(例年3月下旬)から4月入職までの期間が短いことも踏まえ、試験日程から逆算した採用活動が必要だ。試験の日程・合格基準・科目の詳細は柔道整復師国家試験の日程・合格基準の解説記事を参照してほしい。
出典一覧(すべて厚生労働省)
- 第26回柔道整復師国家試験の合格発表について
- 第27回柔道整復師国家試験の合格発表について
- 第28回柔道整復師国家試験の合格発表について
- 第29回柔道整復師国家試験の合格発表について
- 第30回柔道整復師国家試験の合格発表について
- 第31回柔道整復師国家試験の合格発表について
- 第32回柔道整復師国家試験の合格発表について
- 第33回柔道整復師国家試験の合格発表について
- 第34回柔道整復師国家試験の合格発表について
合格率の年別比較:「良い年」「厳しい年」を採用担当はどう判断するか
合格率の数字は毎年メディアで取り上げられますが、整骨院・接骨院の採用担当が実務で使うべき指標は「合格率」よりも「合格者数」と「受験者数の趨勢」の2点です。
- 合格者数の意味:その年に新たに市場へ供給される有資格者の総数です。合格率が低くても受験者数が多ければ合格者数はそれほど減らない場合があります。逆に合格率が高くても受験者数が少なければ絶対数は限られます。
- 受験者数の趨勢の意味:9年で約3割減という受験者数の減少は、養成校への入学者数の減少を反映しています。単年の合格率に一喜一憂するより、この中長期の縮小トレンドを前提に採用計画を立てることが重要です。
- 試験日程と採用スケジュールの関係:合格発表は例年3月下旬です。4月入職を前提とすると準備期間が非常に短くなるため、試験日程から逆算した早期アプローチが採用成功のポイントになります。
合格率の乱高下は絶対基準評価という試験制度の構造上、今後も続くと考えられます。「今年は合格者が多いから採用しやすいはず」という単年の読みではなく、複数年の合格者数平均を参考に採用目標を設定することが安定的な人材確保につながります。


