この記事でわかること
- 2,000人の利用者調査データに基づく「選ばれる院」と「通い続けたい院」の違い
- 初診時に確認すべき20項目のインタラクティブチェックリスト
- 特にインパクトの大きい「まずやるべき3項目」
データの示唆 ―「選ぶ理由」と「続ける理由」はズレている
リクルート ホットペッパービューティーアカデミーが2025年に実施した利用実態調査(n=2,000)によると、接骨・整骨院を利用する理由と継続来院する理由には明確なギャップがあります。
順位 | 利用する理由TOP5(接骨・整骨) | 割合 |
|---|---|---|
1 | 体質・体調に合わせた施術をしてもらえる | 36.7% |
2 | 心身がリフレッシュできる・癒やされる | 35.8% |
3 | すぐに効果を感じられる | 32.8% |
4 | 症状を根本から改善してもらえる | 28.9% |
5 | 安心して体の悩みを相談できる | 26.3% |
順位 | 継続来院する理由TOP5(接骨・整骨) | 割合 |
|---|---|---|
1 | 予約が取りやすい | 33.5% |
2 | 自宅から近い | 32.5% |
3 | ネット予約できる | 27.2% |
4 | 料金がリーズナブル | 26.9% |
5 | 待ち時間が少ない | 24.6% |
→ つまり「施術の質・信頼感」で選んでも、「利便性・コスト」で離脱する。初診対応では両方をカバーする必要があります。
このデータが意味すること
患者は「施術の腕がいいから選んだ」のに、続かない理由は「予約が取りにくい」「料金が分かりにくい」といった運営面。これは施術の質だけ磨いても離脱は防げないことを意味しています。以下のチェックリストは、この「選ぶ理由と続ける理由のギャップ」を埋めるために設計しました。
Part A 「この先生は分かってくれる」と思わせる0 / 7
#1
カウンセリングで「痛みの先にある目的」を聞き出す
「どこが痛いですか」だけでなく「その痛みがなくなったら何がしたいですか」まで聞く。患者は「目的を理解してくれた」と感じ、信頼のスタート地点が変わります。
#2
体の状態を視覚的に説明する
模型・図・タブレットを使って「あなたの体は今こうなっています」を見せる。口頭だけの説明より理解度と納得感が大きく上がります。
#3
施術前後の変化を患者と一緒に確認する
可動域チェック、痛みスケール(10段階)など、数字で「ここが変わりましたね」と共有する。HBA調査で利用理由3位の「すぐに効果を感じられる」に直結します。
#4
施術中に変化を言葉で伝える
「ここの硬さがさっきより取れてきましたね」のひと言で、施術中も「効いている実感」を持ってもらえます。
#5
今後の方針を「期間・頻度・理由」のセットで伝える
「週2回×1ヶ月が目安です。理由は〇〇だからです」と伝える。期間だけ、回数だけでは不安が残ります。
#6
類似の症状の一般的な経過を伝える
「同じような症状の方は、だいたい○回くらいで変化を感じる方が多いです」と見通しを共有する。
#7
自宅でできるセルフケアを1つ伝える
「家ではこのストレッチだけやってみてください」と1つだけ渡す。複数だと実行されない。1つなら続きます。
Part B 「通いやすい」と感じさせる0 / 7
#8
初診の施術が終わる前に次回予約を取る
「予約の取りやすさ」が継続理由1位。その場で次回を押さえるのが最もシンプルで効果的な離脱防止策です。
#9
ネット予約の導線を初診時に案内する
「次回からはスマホからも予約できますよ」と初回で伝える。ネット予約は継続理由3位です。
#10
待ち時間の目安を事前に伝える
「今日は10分ほどお待ちいただくかもしれません」と伝えるだけで体感の待ち時間が短くなります。
#11
施術時間の目安を明示する
「初回は約40分です」と最初に伝えることで、患者がスケジュールを組みやすくなり通院のハードルが下がります。
#12
料金体系を初回の会計前に説明する
「思ったより高い」の不意打ちは最も危険な離脱トリガー。保険適用範囲と自費メニューの料金を会計前に説明します。
#13
キャッシュレス決済に対応する
HBA調査ではキャッシュレス決済対応率が2023年8.7%→2025年13.9%と上昇傾向。「現金のみ」は若年層の来院ハードルになりつつあります。
#14
院内の清潔感を初診目線でチェックする
トイレ、待合室の雑誌、スリッパ。毎日いると見えなくなるものを、月1回「初めて来た患者の目」で確認します。
Part C 「この院は自分に合っている」と確信させる0 / 6
#15
患者の名前を施術中に呼ぶ
「○○さん、力抜いてくださいね」。名前を呼ぶだけで「自分を見てくれている」と感じます。
#16
初診のカウンセリング内容をカルテに残し2回目に活かす
2回目の来院で「前回おっしゃっていた○○はその後いかがですか」と聞ける状態を作る。これが「分かってくれている」感の正体です。
#17
担当制か否かを初診時に説明する
担当が変わることへの不安は離脱理由になりえます。複数スタッフ体制の場合、カルテ共有で一貫した対応ができることを伝えておきます。
#18
「何か気になることはありますか」で締める
施術後の会計前に、患者が聞きそびれていることを拾う。このひと言があるかないかで「安心して相談できる」感が大きく変わります。
#19
来院のお礼と次回の確認を帰り際に伝える
お見送り時に「本日はありがとうございました。次回は○日の○時ですね」と声をかける。事務的な会計だけで終わらせません。
#20
初診後のフォロー連絡を入れる
LINE・メール等で「本日の施術後、お体の調子はいかがですか」と翌日に1通送る。手間は小さいが「気にかけてくれている」という印象は大きい。


